

美大でインダストリアルデザイン(産業デザイン)を専攻していたという2008年入社の大竹裕美子。彼女がシチズン時計で腕時計のデザインをしたいと思ったのは、腕時計の存在そのものに魅力を感じたからだ。
「腕時計は工業製品のなかでもっとも身近な物だと思います。常に身につけているものだし、世界でも共通のものだと思うんです。工業製品で使う前に説明書を読まなくてはいけなかったりするものもありますよね、でも腕時計はたとえ言葉が通じなくてもすぐに使えるものだと思うんです」
デザイナーとしてはデザインをする素材としても興味があった。
「プロダクトデザインには形を作る立体物だけで終わってしまうものもあります。しかし、時計には文字や配色などのグラフィックデザインとしての要素もあるので、その両方を融合できるというところが時計デザインの魅力でした」
OEMデザイングループでは主に海外のファッションブランドで販売される時計(OEMブランド)のデザインを担当している。
「企画の担当者から今回はどういうデザインにするかという方向性や仕様が書かれた要望が上がってきます。それを元に今回は丸形と四角で大きさはこれぐらいというものが分かります。それをもとにケースや文字板、バンドなどのデザインを決めていきます」
クライアントの方で要望があるため自由にデザインをできるわけではないが、制約があるからこそ面白味もあるのだとか。
「サイズやデザインイメージがある程度きまっている中で、いかに自分の発想を生かすかがポイントなんです。お客様の要望をお聞きして、お客様が喜んでくれる時計のデザインを提案できたらうれしいですね」

デザインが決まるとそれを元にダミーと呼ばれるサンプルが作られ、それが承認されれば実際に商品となる。
「最初は自分の頭の中にだけあったものを、パソコン上でデザインしていく。それが、さらに実際の商品になって腕につけられるっていうのがすごくうれしいですね。デザインをしてもそれが商品になるものは少ないので、商品になると本当に喜びが大きいんです」
大竹が最初に手掛けた時計はスペインで商品化されることが決まった。
「これは文字板をデザインしただけなんですけど、それでもうれしいです。これからは幅広い年齢層やいろいろな国のものをデザインしていきたいですね」

「シチズンは社内にいても今これから変わっていこう、変えていこうというのがすごく伝わってきます」と大竹は言う。
大竹も将来やりたいデザインがある。
「デザインの幅を広げるために、ユニバーサルデザインにも力を入れていきたいと思っています。年齢、性別、能力、障害等を問わずさまざまな人が気持ちよく使える腕時計が理想です。それにはまだまだ勉強しなくてはいけないことが多いので、OEMで世界のいろいろな国の時計やいろいろなターゲットの時計をデザインして、がんばって勉強したいと思います」
